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真言八祖図
真言宗の法系を示すため組として作られた祖師たちの画像のことを真言八祖図と呼ぶ。大同元年(806)に空海が唐から帰国する際に、曼荼羅とともに、師の恵果が宮廷画家の李真らに制作させ付与したものが源と言われている。空海が8番目に描かれているが、源と言われるものには空海は含まれていないが、天暦5年(951)年寛政の醍醐寺五重塔の壁画には真如親王様の空海が含まれており、以後の八祖像がこれにならって描かれている。
今高野山龍華寺に伝わる真言八祖図は、1龍猛(りゅうもう)、2龍智(りゅうち)、3金剛智(こんごうち)、4不空(ふくう)、5善無畏(ぜんむい)、6一行(いちぎょう)、7恵果(けいか)、8空海の八相すべてが伝わっている。いずれの像も四脚が付いた低い牀座(しょうざ)に坐し、手前に履き物が描かれている。元々は軸装であったと考えられるが、後世に襖様にしつらえ直されている。